
「西都児湯地域で在宅医療が普及するような講演をしてほしい」
高鍋保健所の職員さんが、わざわざ延岡まで足を運び、その切実な思いを伝えてくださいました。
延岡市での在宅医療の盛り上がりから、何かヒントを得たいとのこと。非常に光栄な依頼でしたが、同時に私は難しさも感じていました。なぜなら、私は西都児湯の地域医療の「リアル」を知らないからです。
『地域医療』、この言葉は時に問題を曖昧にします。
口にするのは簡単ですが、その実態、ニーズ、抱える欠乏感は地域によって千差万別です。ある地域の成功モデルをそのまま埋め込めば解決するような、単純なパズルではありません。
今回の講演では、一人の地域医療人として西都児湯の現状を知り、一緒に課題を探る時間を共有したいと考えました。

~在宅緩和メディカルラリー~
シナリオを提示しておこなう模擬在宅医療のグループワークです。会場でのディスカッション中、ある会話が耳に留まりました。
「末期癌であっても、お風呂好きな人には訪問入浴をさせてあげたいよね~」
「え、なんでできないの?」
「西都児湯には訪問入浴業者がないから、日向市から来てもらってるんですよ」
地域医療をしているという事実は、あくまで一つの地域をみているにすぎません。隣の町の課題は、知ろうとしなければ見えてきません。他の地域を知り、手を取り合い、リソースを補完し合いながら難局を乗り越えていく。それがこれからの地域医療には不可欠です。

都市部を真似しても意味がありません。
自分たちの地域医療の最適解を皆さんと一緒に考えたこの時間は、私にとっても非常に有意義で刺激的なものとなりました。
熱い想いで依頼をくださった高鍋保健所様、共催いただいた西都市西児湯医師会・内科医会様、そして平日の夜に集まってくださった多くの専門職の皆様、本当にありがとうございました。
ご縁に感謝いたします。
